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1.動物の歯について
2.歯石について
3.破折について
4.歯のスケーリング1
5.歯のスケーリング2
■動物の歯について■
歯または歯の周りの病気を理解するのに多少専門的な用語が多くなると思いますが、 まず必要と思われる言葉を簡単に説明したいと思います。
では、歯について簡単に・・・ 動物にとって歯は食物を噛み砕く、引き裂く用途に使われ、また顔面や顎の形を保つのにも一役かっています。しかし、市販されているようなドライフードやウェットフードに関しては歯がなくても食べることが出来ます。ですから、重度の歯周炎が大部分の歯に認められるときはほとんどの歯を抜くこともあります。歯を抜いた後、舌が口の横からはみ出る動物もいますが、採食には問題ありません。 歯は、エナメル質、セメント質、象牙質などいくつかの層に分けられますが、通常目にしている部分はエナメル質と呼ばれている部分です。発生学的には上皮由来で、皮膚、爪や皮毛も同じ上皮由来です。このエナメル質は、体の中で最も硬い組織の一つです。ですが、硬いもの、例えば蹄や石なんかを噛んで割ってしまうことがあります。この場合、エナメル質は再生しませんので、治療が必要となります。
■犬、猫の歯の数は?■
犬、猫の歯の数を表すのに歯式というものがあります。犬と猫の歯の数は決まっているので、まず、犬、猫の正常な永久歯の場合の歯式を示します。
イヌ2(I 3/3 C1/1 P4/4 M2/3) 計42本
ネコ2(I 3/3 C1/1 P3/2 M1/1) 計30本
ここで、Tは切歯(前歯、一番前の小さな歯)、Cは犬歯(切歯の後ろの尖った大きな歯)、Pは前臼歯(犬歯の後ろから頬の辺りにある一番大きな歯まで)、Mは後臼歯(前臼歯以降の歯)です。また、分母は下の歯、分子は上の歯の数で、2( )の( )内は片側半分だけの歯の数なので( )を二倍して全部の歯の数になります。
下の図で、右は犬、左が猫です。それぞれ対応する歯に、番号を振ってみました。
動物の歯がすべて生え揃ったところで、この歯式よりも多いときを過剰歯、少ないときを欠歯といいます。過剰歯も欠歯も意外に多く見られますので、一度ペットの歯をよく観察されてはどうでしょうか?
また、動物の歯の生えかわりの時期ですが、大体、犬で生後2ヶ月から7ヶ月、猫は4ヶ月から6ヶ月の間といわれています。中には乳歯が残存することもありますが、この場合は乳歯を抜いてやる必要があるでしょう。
というわけで乳歯は生まれて半年ぐらいの間にどんどん抜けていきますので、完全に乳歯が生え揃っている期間はごく短いものですが、一応、乳歯の歯式も書いておきます。
イヌ2(I 3/3 C1/1 P3/3) 計28本
ネコ2(I 3/3 C1/1 M3/2) 計26本

■歯の解剖学1■
歯にも部分によっていろいろな名称がつけられています。その中で主なものを、説明します。
歯冠部:歯肉より出ている部分。通常、目にする部分が歯冠部です。
歯根部:歯が骨に植わっている部分で通常、歯冠部よりも明らかに長いです。
歯頚部:歯冠部と歯根部の間、ちょうど歯が歯肉に隠れるところです。
歯髄腔:歯の中を血管や神経が通っていますが、その通り道となっている管のことです。
歯根分岐部:歯には歯根が一つのもの(単根歯)や、2本または3本のもの(複根歯)がありますが、複根歯でちょうど歯根が分かれる部分をいいます。

■歯の解剖学2■
さらに組織学的な歯の構造について主なものを説明します。
エナメル質:ハイドロキシアパタイトの結晶から出来ており、歯冠部表面を覆っています。体の中で最も硬い組織の一つです。一度、破壊されると再生されることはありません。
セメント質:組織学的にはエナメル質と同じで、歯頚部より下の歯の表面を覆っています。つまり、歯頚部のラインより上がエナメル質、下がセメント質といえます。
象牙質:エナメル質やセメント質によって覆われている歯の大部分を占める組織です。骨よりも硬く、再生可能です。組織内を微細な神経が縦横に通っており、さまざまな刺激を痛みとして感じます。
歯槽骨:歯を支える土台となる骨です。
歯周靭帯:歯と歯槽骨を強固に結び付けている靭帯です。歯根周囲に存在し、歯にかかるさまざまな力を吸収する働きもあります。
歯肉縁窩:俗に歯と歯ぐきの隙間といわれている部分で、汚れが溜まりやすく歯周炎の原因となりやすい部分です。
とりあえず、簡単な歯の解剖学をお示ししました。歯の病気については次回ということで。